地球の潜り方
その82:ブランクダイバーPART2
以前(2022年)、本コラムその72で「ブランクダイバー」を取り上げた。
その時は、新型コロナ禍でダイビングから遠ざかっていたのであるが、今は業務都合・一部家事都合と旅費高騰(特に海外ダイビング)で以前ほどダイビングが出来ないので、再び取り上げることにした。
本コラムその72では「ブランクダイバーの定義」を取り上げてはいなかったので、今回はこれを取り上げたい。
ブランクダイバーというと、凡そ「しばらく潜っていない人」のことを示すが果たしてどのくらいの期間だったか?
ここで今はやりのAIへの質問かこれに類するものをやってみよう。
まずはCopilot Searchで「ブランクダイバー 定義」を入力すると、以下の答えであった。
「ブランクダイバーとは、一般的に一定期間ダイビングを行っていないダイバーを指します。具体的には、約半年以上ダイビングをしていないダイバーが該当し、経験年数やダイビングの実績によって異なる場合があります。ブランクダイバーが復帰する際には、器材のメンテナンスや基本的なダイビング技術の確認が重要です」
後半の答えはよいにしても、「約半年」ではちょっと短すぎないか??ほんとにこうだったっけ?
そこで、他のサイトも少し調べてみた。(下記)
1.静岡県のダイブショップのサイト
静岡市葵区のダイブショップ「BLUE CORNER」のHPでは、以下のとおりであった。
ダイビング業界でよく使われる「ブランクダイバー」という言葉
特に決まりなどありませんが一般的にはダイビングを初めて1~5年の方は半年~1年程。
ダイビング歴が5年以上の方は2年程など個人差はありますが、
ダイビングの経験本数やダイビング歴によってブランクダイバーというカテゴリーに当てはまってしまうようです。
ちなみに僕らが所属しているPADIでは半年間ダイビングしない時期が続くとリフレッシュコースを受講することを推奨しています。
2.PADI以外の指導団体
以下はいずれもCopilot Searchの結果。
SSI(Safety and Sport in the Sea)の定義では、ブランクダイバーは「ライセンスを取得していても一定期間ダイビングをしていないダイバー」とされています。具体的には、ダイビング経験年数が1年から5年程度の初心者で、約半年程度潜っていない人を指します。
DEC/25
BSACの定義によれば、ブランクダイバーとは、一定期間ダイビングを行っていないダイバーを指します。一般的には、ダイビング経験が1年から5年程度のダイバーの中で、半年以上ダイビングしていない方のことを指します。ただし、正確な期限を定義するのは難しいため、あくまで目安として扱われることが多いです。
教科書中のブランクダイバーの定義を忘れていました、スミマセン・・・、でした。
3.「note」HP内のコラム「シン・ブランクダイバー」
note株式会社が運営するプラットフォームサイトであるが、その中にサイパン在住のガイド女史が数年前に「シン・ブランクダイバー」という記事を連載していたようである。
これによると、
「今までのブランクダイバーのリフレッシュコースは、そのあとダイビングをコンスタントに続けることを目的としているから、重い」
とあって、次のような例示をしている。
Aさん:経験本数4本、前回のダイビングから3か月のブランク
Bさん:経験本数1000本、前回のダイビングから8か月のブランク
上記の2人がいた場合、PADIの推奨から考えると、リフレッシュコースに参加してもらいたいのはBさん。
でも、2人の心境を考えるとドキドキしてそうなのは、Aさん。Aさんの4本は、OWD講習の海洋実習のみで初ファンダイビング。
Cさん:経験本数50本、50本ずっと同じお店で潜っていたが、3か月後に同じお店で51本目。
Dさん:経験本数50本、50本ずっと同じお店で潜っていたが、初めて違うお店で3か月後に51本目。
この場合にドキドキするのはDさん。
「広がった制限の中で、当日の海況やゲストの状況を鑑みてガイドが自分たちなりの制限をつけて案内している」
「結局、(担当)インストラクターの匙加減の部分があるのでは」
上記のような解説があった。(注:掲載内容に一部追記、および表記変更をしております)
なるほど、例示を見れば、単純な指標だけで判断すると不適切判断になりそうである。
このコラムの著者は産休でダイビングを7か月休んだそうだが、妊娠がわかればガイド業務は徐々に減らしていくと思うので、
産休明け後初のグロットでのガイドは、実に1年半以上ぶりのグロットになったそうだ。その結果、
「久しぶりに器材を背負ってのグロットの階段は、筋力の低下からかいつもより身体の安定感に欠けていた」
「エントリーするための大岩に渡る際もほんの少しだけふらつく」
「ジャイアントストライドでエントリーすると、予備の空気源は衝撃でフリーフロー、カメラのレンズキャップは衝撃でヒモがちぎれ飛んでいった」
上記だったとのこと。
ファンダイバーとガイドでは求められるものが全く違うとはいえ、「ブランクガイド」はこういうことになることがあるのですね。
結局、潜る場所がどこで、難易度がどのくらいで、その場所のダイビングスタイルはどんなもので、自分自身のダイビングレベルと直近のダイビング状況がどうで、苦手な部分がどうで、体質がどうで・・・、
と重ねていって、「今回のダイビングにおいてはブランク(相当)になるのか否か」ということになるのでしょうね。
ダイビングを日常的に行えるなら「継続的技術維持・向上を」だが、そうでない人も多数いるはずだから、
「自分の技術は冷静に見直す・過信しない」「可能な限り体調面も、現地情報も、準備する」「疑問点等々は(極力事前に)ガイドに質問する」などになるようである。
筆者もこれからどんどん体力は落ちる一方になっていくので、気が引き締まる思いである。
注:写真と本文は関係ありません。
引用元:
・ダイブショップ「BLUE CORNER」HP(https://bluecorner.co.jp/)
・「note」HP(https://note.com/sakuramarine/n/n1afc04936c4e)
文責:折原俊哉(恵比寿潜酔会・懇親会系幹事)

