ORIちゃんの地球の潜り方

その25 =鬼門=

 鬼門を国語辞典で調べてみると、「方位に関する迷信のひとつ。何事にも避けるべき方角。」「行くのを避ける所」「苦手」とある。

 ここで、少々脱線して鬼門の由来であるが、古代中国の書物『山海経』の中にある物語が元となっている。
 陰陽道では、北東(艮=うしとら:丑と寅の間)の方位は鬼が出入りする方角であるとして、万事に忌むべき方角としている。また、鬼門とは反対の西南(坤 ひつじさる)の方角を裏鬼門と言い、この方角も忌み嫌われる。
 北と西は陰、東と南は陽とされ、北東と西南は陰陽の境になるので不安定だとされる。鬼門は忌み嫌われるという云れの他に、逆に神々が通り抜ける方角、あるいは太陽が生まれる方位(生門)であるために清浄の気を保たねばならぬという考えもある。
 この理由は、中国では北東の方向から季節風が吹くため、家の中心から見てこの方角に水回りのものを置くと家の中が不衛生になるので置かないようにしたというのが鬼門の由来である、というようなさまざまな説があるようだ。

 旅行先の「鬼門」を意識する人、しない人と様々かと思うが、筆者にとっては鬼門と思える場所がある。それは慶良間である。慶良間はこれまで3回行っているが、全て悪天候に祟られている。

・1回目(1992年11月:渡嘉敷)
 台風ではなかったが、風雨が強く渡嘉敷島までのフェリーは大揺れ、ツアーのほぼ全員が船酔いした。渡嘉敷滞在中も殆ど晴れることはなく雨続きで、ダイビング中には予想外の強い流れにつかまった。当時初心者だった筆者はエア切れを起こし、ライセンス取得後すぐに”実戦”でオクトパスブリージングを行ったのであった。

・2回目(1999年2月:渡嘉敷)
 この時も風雨が強く渡嘉敷までの高速船は大揺れで、それこそ立っていたら投げ出されそうな程であった。通常なら那覇/泊港から渡嘉敷島まで40分程で着くはずが70分もかかったのであった。渡嘉敷島に着いたら島の人から「よく船が出たね」と言われたのであった。
 渡嘉敷滞在中も晴れることは殆どなく、海もうねりが入っていた。

・3回目(1999年8月:座間味)
 この時は天気は良かったが風は強く、海は毎日うねりが入っていた。後半になり天気が崩れ、急に発生した台風により延泊する羽目になった。

 単なる偶然かもしれないが、上記のように3回連続で天候に祟られている。実はこの後2000年11月に那覇泊の慶良間日帰りダイビングツアーに参加したが、この時も鉛色の空の下で潜ったのであった。

 沖縄県内では他に本島北部(本部)や石垣島には3回以上行っているが、このようなことにはなっていない。単なる偶然かもしれないが、慶良間ではそこそこに天気がよくのんびり出来たということがないのである。これ以降、筆者は慶良間には行っていない。

 なお、これは鬼門とは言えないと思うが、筆者にとってサイパンも何かとある土地である。筆者は2000年12月にサイパンへ行っている(恵比寿潜酔会の皆で行ったのだ!)が、その時は晴天で海もさほど荒れてはいなかった。
 その後何度もサイパンへ行くことを計画したが、そんな時に限って体調を悪くするのである。うち1回は出発前日に風邪をひいて、高いキャンセル料を払って泣く泣く取りやめたのである。筆者の親戚でサイパン島で戦死した者はいないので、ご先祖様から「来るな」と言われているとは考えにくい。
 行った時と行けなかった時の違いを探してみると、1人で行くか、複数人数で行くかの違いのみである。行けた時は大人数、行けなかった時は1人旅である。「1人旅はそろそろやめろということだよ。」と言う人もいたが、他の人と都合が合わない限りはどうしようもない。


出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、三省堂国語辞典(第三版)


=おまけ:ダイビングフェスティバルの巻き返し=

 2007年のダイビングフェスティバルまであと2ヵ月半あまりとなった。
大きな変更点は2つで、1つ目は出展料金を変更し一律料金から出展小間数に応じた料金体系にすること、2つ目は、我々にとって大変うれしいことだが入場料が無料になることである。(とは言っても、多くの方は器材販売店等で招待券を入手していたであろうからあまり関係がないかもしれない)

 しばらく前の入場料有料化以来、ジリ貧の一途をたどってきた(?)ダイビングフェスティバルであるが、ここで巻き返しということであろう。

 だが、これをもって、ダイビングフェスティバルがかつての賑わいをすぐに取り戻すかというと、そう簡単でないかもしれない。ライバル(?)である毎年4月開催のマリンダイビングフェアは、会場が決して広いとはいえないこともあるが、いつも結構な混雑であるし、ダイバーではなくリゾーター相手なら、毎年9月の秋分の日前後に開催する世界旅行博(これは入場無料ではない)もある。単に新器材展示やリゾート情報入手だけなら、ダイビングフェスティバルでなくとも入手はできるのである。

 では今後どうやって特色を出していくのだろうか?これは筆者は知る由もないが、主催者は何がしか考えているはずである。
 入場料を無料化するのだから、ダイビング人口を増やすことは当然考えているだろうし、”休眠ダイバー”や”ブランクダイバー”にもう一度海に戻ってきてもらうための何かを考えているのかもしれない。(日本スクーバ協会公式サイトには”一人でも多くのユーザーに来場してもらえる環境を整えました。併せて来場動員にも力を入れて出展各社のPR効果を高めます。””会場では「無料お試しチケット」を配布するので、初心者も安心してダイビングを始められます!”と出ている。)
 これまで実施してきた「ミス・ダイバーコンテスト」は引き続き行われるようで、もちろんステージイベントもある様子である。

 約3ヵ月後の本番の内容はお楽しみだが、「来てよかった!」と思わせてくれるイベントになることを心から望む。


 以上


文責:折原 俊哉(会員)

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