ORIちゃんの地球の潜り方

その34 =高齢化社会のダイビングでは是非欲しいもの=

高齢化社会が来る!と言われて久しく、昨年秋(2008年9月)の記事では70歳以上の人口が2000万人を超えるところまで来た。

社会のあらゆるところに高齢化による影響が出てくる。ダイビングも例外ではない。
年をとれば、体力は落ちる。運動能力は落ちる。身体のあちこちが悪くなる。
ドイツの“レニ”アマリー・リーフェンシュタール女史のように100歳で潜った人もいるが、これは希な例で大抵の人はこうはいかず、何処かの時点でダイビングをやめることになる。

「年をとっても潜っていたい。若い人並みでなくてもよいから、潜れる海況に制限が出てもいいから潜りたい・・・」と筆者も思う。ではそのためには何が必要になるか。お金をかければ色々なことが出来るが、現在(2009年)で既にあるもので、もっと普及して欲しいものは、以下の2つである。

1.可動式ステップまたは可動式ラダー
 これはボートの設備である。しばらく前から、一部のダイビングショップでは可動式ステップを備えたボートが導入されているようである。これは船上のステップに腰掛けて機材を背負った状態で、ステップが水中まで降りてくれるので非常に楽にエントリーできるというものである。
 可動式のラダーもあるとよいかもしれない。水面でラダーにつかまったまま、水面上まで引き上げてもらえれば相当に楽である。
 ジャンプや身体を踏ん張る動作がないだけで、高齢者にはかなり楽になるはずだ。

2.水中スクーター
 当然高齢者は脚力が落ちているので、もっと普及してくれるとありがたい。
但し、現在より軽量化が必要と思う。いくら水中ではあまり関係ないとはいえ、現状では陸上で持って歩くのには少々重い。また、比較的短時間の充電で2ダイブ無充電で潜れるくらいの性能の電池が欲しいと思う。(現在はだんだんこれに近づいているみたいだけど。)
 普及を考えるならば、メーカーが違っても使用方法を極力統一してはどうか、ボタンやレバーの配置や色、操作方法などは出来ることなら標準化することを考えてはどうか。速度が違うとはいえ、これは一種の「交通機関」と見ることが出来るのだ。

 筆者が「白髪の爺さん」になるころには、高齢者が無理せず潜れる環境が整備されていることを望む次第である。


文責:折原 俊哉(会員)

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