ORIちゃんの地球の潜り方

その3 =大型荷物(国内編)=

 以前に2回にわたり、大型手荷物と主に航空輸送の関係について、筆者の考えを述べる機会を頂いた。そこで、今回は国内編、それも陸上交通に限定して問題提起を行いたい。以前、「大型荷物(1)」において、鉄道関係は趣旨から外れるので省略すると書いたが、改めて考えてみると必ずしもそうではなく、近場で潜る際には結構問題になることもあると思われるので、今回取り上げることにした。  最近の通勤車両の車椅子スペースの利用について「大型荷物(1)」で述べたが、問題は特急列車などの優等列車、グリーン車などの優等車両である。
 筆者はCカード取得時の海洋実習を伊豆北川で行ったが、伊豆北川へ行く際、なるべく人の出入りが少ないところに座った方がいいであろうと思い、お金を奮発して普通列車のグリーン車に乗った。グリーン車は人の出入りは少ないが、普通車に比較して立ち席面積が少ないため、荷物が通路にはみ出さないようにするとどうしてもキャスターバック1つで1人分の座席を占領してしまう。従って、1人分の料金で座席を2つとってしまうことになるので、通路側にはみ出して荷物を置いていたが、車掌氏には文句こそ言われなかったが睨まれてしまった。それ以来、筆者は伊豆に行く場合でも荷物はあらかじめ宅急便で送り、普通列車の普通車を利用して行くことが多い。
 優等列車、優等車両であればこそ、それなりの荷物置き場があってしかるべきと思うのだが、なるべく人を詰め込みたい事業者側の都合によるものか、いわゆる”空港特急”以外は荷物置き場が充分とは言い難い。”空港特急”程にではないにせよ、何かしら荷物スペースは必要と思われる。
 今後外国人観光客を増やそうというのであれば、旅行トランクを持って移動する人が増えることになる訳で、荷物置き場の設置・充実化は必須とも言える。特に、我が国の看板列車である新幹線が未だ詰め込み主義であるのは非常に残念である。(但し、山陽新幹線の”ひかりレールスター”や最近公開された九州新幹線”つばめ”は詰め込み主義からの脱却が見られる。)
 新幹線は元々ビジネス列車の性格が強いが、そろそろ方針転換しても良いのではないだろうか。新幹線の座席間隔は旅客機と比較すると広く、普通車でも国内線のスーパーシート並みである。あと少しの工夫で相当違った印象になるはずである。  今後間違いなくやってくる高齢化・バリアフリー社会や外国人観光客の増加を考えると、鉄道事業者を含む運輸事業者は、今以上に真剣に、料金、安全、手間全てを考慮した上での利用しやすさを追求する必要があるだろう。
=※=
 しばらく前の読売新聞か毎日新聞の社説に載っていたが、日本が国としてこれまで観光振興にさほど熱心でなかった理由の一つが、「観光は所詮遊びである」ということだそうである。  明治以来の建前主義、モーレツ主義の産物というか何というか、筆者はどう理解すればよいのか迷ってしまった。皆さんはどうお考えだろうか。

文責:折原 俊哉(会員)

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